お出かけ前も要チェック!
よくある火災原因ベスト3に見る、火災対策




「出かける前にはコンロや暖房器具の確認はしている」と思いつつも、外出先で「あれ?本当に始末した?」と不安になったことのある方は多いのではないでしょうか。外出時の自宅火災を防ぐためにも、日々の火災対策のチェックをしっかり行いたいものです。

【火災原因TOP3】

火災のニュースが流れると、「なぜ火災が起こったのか」「どのような被害が出たのか」と出火原因と被害状況が気になりますよね。出火原因にはどのようなものがあるのでしょうか。最も多い火災原因を見ると、火災を未然に防ぐ対策が見えてくるかもしれません。 平成30年4月に総務省消防庁から発行された「火災の概要(概数)」の情報を元に、ご紹介していきます。

<第3位>「コンロ」

コンロからの火災

ガスコンロは生活に欠かせないものですが、火災の原因の上位を占めています。そのほとんどが利用者の"ちょっとした不注意"で起こっています。

コンロは基本的に調理の際に使うので、不在時の出火原因としてはあまり多くを占めていませんが、空焚きやガス漏れなどが原因で不在時に火災へ発展することがあります。

コンロを使う際は以下のことに注意しましょう。

◆調理中に火をつけたままのコンロから離れない

天ぷら油は加熱から15~20分で発火点に達します。ちょっと目を離したすきに、炎が燃え広がってしまいます。キッチンから離れる際は必ず火を消してからにしましょう。

◆着衣着火(コンロの火が洋服に燃え移ること)に気を付ける

衣服に火が燃え移ると重度のやけどを負うことや、死亡事故につながる危険性が高くなります。コンロを使用する際は、"ゆったりした服での使用を避ける""調理中はアームバンドやエプロンをつける""防火製品(火がついても燃え広がらないように加工されているもの)を使用する"というような工夫をしましょう。

◇着衣着火になった場合の対処法

すぐに水をかけるかタオルなどで叩き消してください。火が背中などの手が届きにくい箇所に行ってしまった場合は、その場で床に倒れ背中を左右に動かし転がり、火を消してください。

◆コンロ付近には燃えやすいものを置かない

ふきん・紙パック・ペットボトル・くずかご等は燃えやすいものです。コンロの周りには物を置かないように注意しましょう。

◆ガスコンロの掃除、周りを整理整頓

ガスコンロの魚焼きグリルに残った魚の油に火が引火して火災になる事例が増えてきています。グリル使用後は必ず洗うなどの対策が必要です。また、コンロ周りに飛んだ油汚れもこまめに掃除をし、火が燃え移らないようにしましょう。

◆ひび割れたガスホースは使用しない

ひび割れたガスホースの使用を続けたり、取り付けに不具合があったりすると、そこに引火して発火する恐れがあります。こまめに点検し、外出時・就寝時にはガスの元栓は閉めるようにしましょう。

《安全装置付きコンロの使用(Siセンサーコンロ)》

平成20年10月以降に販売されている全てのコンロに搭載されています。「油の温度を感知し、250度になると自動的に消火する"調理油過熱防止装置"」「煮こぼれなどで火が消えると、ガスを遮断する"立ち消え安全装置"」「コンロと魚焼きグリルの火を一定時間で消火する"消し忘れ消火機能"」の機能が標準装備されているため、火災の発生を防ぐことができます。

<第2位>「放火」

放火による火災

続いて第2位は「放火」。コンロやタバコが原因の火災ならば、使用者の不注意によるものです。一方、放火となると第三者による犯罪で、放火による出火は未然に防ぐことが難しい側面がありますが、放火を完全になくすことはできなくても日々の工夫で被害を最小限に抑えることができます。

放火は住宅、工場などに直接放火することよりも、ガレージやゴミ捨て場などへの放火が多く、住宅の周りに置いてあるものが放火のターゲットになりやすいということです。

◆家の周りに燃えやすいものを放置しない

放火防止策の鉄則です。これらをこまめに片づけておく、指定されたゴミの日以外に紙ごみや段ボールを外に出さない、などの対策が放火防止に有効です。また紙類だけでなく、屋外に放置している使わなくなったバイク、自動車のカバーなども被害にあいやすいので、防火品を使うなどして注意しましょう。



屋外に使わなくなったものを放置しておくと、防犯性の低い家と思われ、放火だけでなく、空き巣のターゲットにもなりやすくなります。

<第1位>「たばこ」

たばこによる火災

火災の最も多い原因は「たばこ」です。たばこが原因の火災は、いきなり炎が勢いよく立ち上がるわけではありません。布団や畳など燃えやすいものの上に火種が落ちると、無煙燃焼が起こります。そして布団や畳、座布団などを焦がしながらある程度燃え、大量の煙が発生した後に発火し、炎となって燃え広がります。すぐに目に見える炎とならないために気が付きにくく、外出してから思わぬ時間に発火する、ということが多くみられます。 たばこによる火災を防ぐためとして、

◆寝たばこは絶対にやめましょう

◆吸い殻は水に付けるなど、確実にタバコの火を消しましょう

◆喫煙場所を決めましょう

◆就寝前・家を出る前にタバコの火が完全に消えているか確認しましょう



このような対策が有効です。

【コンセントにも要注意!!
長期留守時はコンセントを抜きましょう!】

火災原因トップ3から見る火災対策をお伝えしましたが、火災原因トップ3ではないものの、下記も留守時によく起きる火災原因の一因となっています。

「コンセントから発火」

"トラッキング現象"というものをご存知でしょうか?長い間さしっぱなしのコンセントには埃がたまります。そこに湿気が加わると電気プラグの刃の間で火花放電が繰り返されます。やがてそこから放電が起こり、発火へとつながります。これが"トラッキング現象"というものです。



もしかすると、最も身近な出火原因になるかもしれませんね。防止対策としてはもちろん、日々埃がたまらないように掃除することが鉄則です。また長期留守にする場合は家中のコンセントを抜くことをおすすめします。たこ足配線などもやめましょう。

【最後に】

旅行中や長期不在時に、もしご自分の家が火事になったと連絡が来たら...そんなことを考えるだけでぞっとしますよね。「ガスの元栓をすべて閉める」「ガス周りに劣化はないか」「タバコの処分は確実か」「家の周りに燃えやすいものを置いていないか」「コンセントプラグに埃はないか」少なくともこのチェックポイントは必ず確認し、対策を万全にして旅行などの外出を楽しみたいものです。

また、有事の際に備えてしっかり火災保険には加入しておくことをお勧めします。

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